車上狙いをカメラが目撃 意外に多い無施錠の落とし穴 多発する車の被害 BSN
新潟県内で車に関する犯罪の被害が相次いでいます。一つは「車上狙い」、そしてもう一つが「車への落書き被害」です。取材を進めると犯行の手口と、対策が見えてきました。次に狙われるのは、あなたの車かもしれません。
深夜の住宅街。2人の男が慣れたように二手に分かれ、車へと向かいます。手袋をはめて、スマートフォンのライトで照らしながら車内を物色します。車上狙いの一部始終を捉えた映像です。
男は9万円相当の財布と、中に入っていた現金12万円を盗み逃げました。去年10月、新潟市中央区で発生した事件です。この車上狙いが新潟県内で相次ぎました。
【車上狙いに遭った 渡部孝範さん】「そのときは本当に、頭の中が真っ白になりましたね」
新潟市江南区の会社員・渡部孝範さん(41歳)は5月、車上狙いの被害に遭いました。車の中に置いていた現金や、免許証などのカード類が入った財布が盗まれたのです。
【渡部孝範さん】「現金自体は戻ってこなくても良かったんですけど、財布が私の祖父の形見だった。それが一番大きかったですね。つらかったですね…」
車を案内してもらうと…。
【渡部孝範さん】「扉を開けると、上にダッシュボードがある。ここから財布を盗まれた」
車上狙いの犯人は3人でした。真夜中に渡部さんの自宅敷地内に止めてあった車に忍び込み、財布を盗んだそうです。被害に遭ったのは1台だけではありません。隣に止めていた妻の車も…。
【渡部孝範さん】「妻の車からなんですけど、ここのダッシュボードの所、子どもの財布の中から現金3000円、それとここからパスケースを盗まれました」
自宅の敷地内ということで、車は2台とも鍵をかけていませんでした。警察は8月までに、渡部さん家族の車から財布を盗んだ疑いで5人を逮捕しました。5人は17歳から19歳の車上狙いグループで、104件の車上狙いに関わったとみられています。新潟県内だけではなく、群馬県や富山県などでも犯行を繰り返し、被害総額は354万円に上ります。
調べに対し、少年5人は「遊ぶお金が欲しかった」と話しているということです。少年が狙っていたのは「夜間の人目のない時間帯」、そして「鍵がかかっていない車」でした。この事件について警察は…。
【新潟県警安全安心推進室 原伸一室長】「小遣い稼ぎのような感覚で、半分遊びのような感覚でやっているケースが多い。恐らく犯行をやりやすい場所を探して、または遊びに行った先で繰り返して行っていたのでは」
実は、新潟県内では車に鍵をかけない人が意外に多いのです。県内で車を狙った窃盗の被害に遭った人のうち、鍵をかけていなかった人は74.3%に上りました。全国平均の58.4%と比べ、15ポイント以上も高くなっています。
【新潟県警安全安心推進室 原伸一室長】「皆さんに行っていただく第一の具体的な防犯対策は、車から離れるときは窓を閉め、わずかな時間でも必ずドアロックをすること」
次に重要なのは車内の見えるところに現金や貴重品、カバンなどを置かないことです。財布などが見つかってしまうと、例え鍵をかけていても窓を割られて盗まれてしまいます。
渡部さんは車上狙いの被害に遭ってから、車庫にセンサー付きのライトを設置しました。そして何より気を付けていることが…。
【渡部孝範さん】「私はもう自宅で車に鍵をかけない習慣がついていた。それはもう鍵をかけるようになりましたし、財布を車の中に置かないこと」
警察から容疑者逮捕の知らせを聞き、「安心した」と話す渡部さん。ただ、容疑者が少年だと聞いて、別の感情も生まれてきたそうです。
【渡部孝範さん】「犯人が未成年と分かる前は、もう本当に怒りはあったんですけど、(容疑者には)これから正しい道を歩んでもらって、更生してもらいたいなと思っています」 BSN
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